一、二週間前くらいからか、

カラスがつがいで飛んできて

家から見える広場でみみずを取って食べるようになった。

それが今は四羽になり、低空を飛び、上空も舞う。

毎日、来ているので棲家のようになったか、と気になっていた。

 

珈琲を飲む時、

空気を入れ変えるため窓を全開にするよう努めている。

窓越しではなく、

肉眼に芝生の緑や木々の新緑が心地よく迫ってきて

気分を変えてくれる。

私たちがこの家に越してくる前から

「キュシュウーヲシッテルカ、キュウシュウヲシッテルカ」

と鳴く鳩のつがいが、広場の木々の下を棲家としていたようで、

初めて聞いた時、

私には、

九州を知ってるか?

と鳴いているようにしか聞こえず、

 

先ほど

珈琲を持って椅子に座っていつものように鳴き声を聞こうかと思ったら

聞いたことのないドスのきいた鳴き声が・・・

 

「ギゥズーオゥーズッテルガー」

ギュースオヲ・・・

と鳴いている。

「知ってるよ、知ってる」

と驚いて珈琲を置いて芝生の広場を見た。

 

電線に鳩

向こう側の電線にカラス

雄同士の縄張り争いか、そもそも縄張り争いなどするものなのか

何の知識もないので

ただひたすら静かに見ていた。

 

しばらくじっと電線に止まったまま

どちらも動かない。

 

よく見れば

鳩は四方をカラスに囲まれているようにも見える。

 

瞬きしてしまい、慌てて目を凝らすと、

カラスは音もなく急に位置を変えていた。

鳩の背後に止まっていた。

 

鳩はバタバタとうちわをあおぐようなスピードで

私の頭の上を飛びながら遠くへ

 

逃げたほうが縄張りを失うのかな・・・

カラスが二羽から四羽へ増えていったのは確かで、

空を見ればあちらの屋根の上、こちらの屋根の上と

とまるところが日常化してきている。

 

鳩は戻ってくるのだろうか。

九州を知ってるか? ともう一度鳴き声を聞かせてくれるのだろうか。

 

コロナ禍で、

近くの公園を家族で買い物帰りに寄っただけで

犯罪? というような光景に会った。

 

家にいても、

ピンポ~ン

と鳴って、はい、とすぐ答えるのも怖くなることがあった。

 

比較的、安全な場所だと思っていた所に

ピリピリした空気を感じるようになった。

 

 

生きものは強いなあ・・・

 

命を張り合う生き物の緊張感

 

上京するまでは、ほぼ私は野人だった、という自負があるのなら

すぐにとはいかずとも

感覚や嗅覚が自分の家族の縄張りの安全性を

あれくらいの緊張感で守らないとなあ・・・

 

台風や大雨を昔の人は匂いでかぎ分けていた

 

来る、

 

といい、

その言葉が吐かれた後は、

父親や兄弟をしっかりと見上げて指示を聞いていたように思う。

 

カラスの四羽は上空からじわじわと鳩一羽を攻め込むように

円を描くように交差して飛んだりしていたが、

今日はそれに静かに立ち向かったような鳩の雄を見て

 

凄いなあ・・・

 

と生活圏を守る戦いに緊張した。

 

じわじわと日常の匂いが変わっている。

 

鳩は、初めてカラスがすぐ傍に降り立った日、

カラス一羽に警戒はしたものの

そのそばをいつものように地面をつついて自分が端のほうへと移動し

 

毎日飛んでくるようになると、

ある時は木の枝に隠れるようにやり過ごしていた

 

ただ、カラス四羽の動きを見ていると

カラスは頭がいいとは聞いていたけれど、

ワンチームで次々と形勢を変えて攻めてくる様は

ここ数日、とても凄かった。

 

一羽と一羽の静かな戦いから始まった縄張り争い

 

今日の対峙を目の当たりにして、

生きものの共存というのは難しいものだと思いました。