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本物の楽園は天国だと思っているので、
生きている間、自分が立っている今・ここは楽園の入り口にふさわしいだろうか。
そんなことを意識して生きるようになって、
物がすべてがお気に入りに囲まれていない時でも、状況がベストでなくても、コト切れそうな気分の時でも、楽園の入り口で暮らしている、と思える力があればいい。
家の中をカフェ気分にするのは、10代から始まり、
インテリアが大好きで、物書き以外だとインテリアコーディネーターになりたかったほど、心地いいおうち時間は永遠の憧れです。
父が庭の片隅に板を張って休み場を作ったことがあり、
学生仲間が我が家を訪問して、おしゃれ~、とおおはしゃぎした。
大木の下を輪で囲むように、テーブルもあって、木陰は気持ちよかった。
隣近所、客人、外国からの訪問者まで、人が人を呼び、昼寝をする人もいた。子供たちは宿題を持ちより、そこでご飯も一緒に食べた。
隣にブランコまで作っていた。もう数十年前のことだが、鮮やかに蘇る。
父の影響かもしれない。
シンプルでモノは少ないけれど、心地いい、を目指している。
シンプルな空間にそっと置かれた花はよく香る、と聞く。
楽園の入り口はこんな感じ?
師匠はありがたいことにたくさんいた。今もいる。
(過去記事)
災害が続き、記事を書く余裕がなく、すみません。
台風12号が通過中ですが、電子書籍、初出版をしました。
今日は、楽園の守り人である恩人の告別式がありました。
恩返しができなかった、と嘆く私たちに、「お先に」と
軽く手を振ってゲートをくぐって本物の楽園へと帰っていかれた。
片手でさようならをするその後ろ姿へ、
個人的なお礼を書かせていただいております。
「○○くらぶ」
不思議な空間は無償で毎週あった。
曜日に合わせて、魚を獲り、イカを釣り、蛸をとり、
さしみにし、新鮮な手料理で客人をもてなす不思議な楽園の守り人。
ハーモニカが上手で、ギターも上手で歌もプロ並み、話も深い。
一見さんも常連も誰も拒まない、皆、招き入れる。
何故、くらぶはこの日なんですか?
新参者が問う。
主さんが明日休みだからさ
ベテランメンバーが教えてくれる。
朝まで続く南国の夜
男の美学、試される情の濃い明けない宴。
(明日仕事であろうが、朝まで帰してくれない。怖いねえ・・・
男子のみの会・・・試される、男だろ、まあ、いいから呑め)
***
歴史の柱がポキンと一本折れたように、一昨日、天へ逝かれた。
変わらないものを伝承することの物凄さ。
潮目をよみ、季節をとらえ、自分の分の中で極め尽くす。
楽園の入り口には、そういう郷の美学が、どん、と座っていてくれる。
その方がおらなくなったら・・・どうなるんだろうか・・・
それぞれが持ち場で極め尽くせ、そう天から言われている気がした。
楽園はここだ、と伝えきれるか。
本物の野人の放つ匂いが遠ざかっていく。
大変お世話になりました。
ありがとうございました。(合掌)