- 投稿 2026/04/03
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高校生からの親友。
母親同士も友人だったことから、入学式の日、親の背中に隠れていた二人は自然と友達になっていった。
バス通学だった私に合わせて、バス停まで一緒に歩き、途中にあるJAZZ喫茶に週1回は寄る、という、ちょっと不思議なことをしていた。JAZZ喫茶に寄る日は金曜日、4人くらい集まってその日は行くというルーティン。
厚切りトーストと珈琲がセットで350円
椅子もおしゃれな一人座りのソファや、マスターと話せるカウンター席、4人座りの隅っこの席が私たち、JKの席。
時々、マスターがサクスフォーンを吹く。
折り畳みの椅子が加わり、小さなライブ会場のようにもなった。
そんな時でもJKたちは4人席の贅沢な椅子。350円×4人なのに。
JAZZがわかるかって?
雰囲気・・・
JKたちは、学校帰りの道では、あれがどうした、これがどうした、ときゃっきゃ、はしゃぎながら歩くも、大人の世界の一等席では、静かにJAZZを聞いていた。
誰もしゃべらない。マナーだけはおりこうさん。
***
今年の1月、東京へ戻る前に、友人が米粉でバームクーヘンを焼いたから持っていくね、と訪ねてきてくれた。
カットしたフルーツも用意して、空き家の一時的なステイライフに配慮してくれて、ありがたいかぎり。
優しいが時に男前な友人に心底、救われたことがある。
全部をひっくるめて、多くを語らなくても、ゆったりと珈琲タイムが流れていく心地よさ。
職場も同じになった頃があり、もう一人の友人と三人で決まったお店でランチタイムを過ごした。
食事に15分、珈琲タイムに15分、店内に座れる30分の貴重な休憩時間を、私たちは、暗黙のうちにも共有し合って珈琲タイムを味わい尽くしていた。
***
友人がバームクーヘンを皿に取り分け、私が珈琲を淹れる。
「あの店にこの前この子と行ったのよ」
「ランチ、もうやってなかったんじゃない?」
「夜、ホテルの人に、美味しいステーキが食べれるおすすめ店はありますか、って聞いたら、あそこをすすめられて」
「そうよ、だってTVでもよく紹介されるし、でもランチタイムしか行ったことがないからなあ。敷居高いんじゃない? 大丈夫だった? 天然だから大丈夫か、あはは」
「奥さんがママ友なのよ」
「そうかあ、良かったね。美味しかったでしょう」
行ったら、若い店員さんがもぞもぞ困った顔して、ずらーと用意されているテーブルの席を見せて、団体さんが7時に来店するから、と
まだ5時
30分で帰ります。
それならと奥の席を案内されて、子供と二人島のステーキとハンバーグを食べて、きっちり30分、さて帰ろうか、と・・・ところが奥さんが、久しぶり~、と声をかけてきた。
会話を楽しんでいたらあっという間に6時、
ピンと張りつめた空気、さすがに読めてきて、会計へ
「ごめんね~、次はゆっくりしていってね~」
「大丈夫、大丈夫、とても美味しかったです。ご主人によろしくお伝えください。お客様、観光客の団体さん?」
「佐々木朗希選手が来るの、ロッテの選手の皆さん、マスコミの人も数名」
「ええええ!! ごめんねえ、これからはちゃんと断ってねえ。私たち、急いで筋肉強くしなくていい人たちだからさ、後回しでいいのに~、やめて~、もういや~、許して~!」
***
「いやあ、恐ろしい。よく、まあ、天然・・・うーん、怖い」
さあ、食べよう、食べよう、
バームクーヘンは家の中でゆっくりと誰にも遠慮せずに焦ることもなく美味しくいただいた。
知ってれば、誰だってごり押し入店しないよね。
はあ、今、思い出しても、チム・ドンドンする。


