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投稿者:拝原 しげる
島で聴いたサクソフォーン

冬になるとさらに聴きたくなるマーティンさんを、まさかの友人のサクソフォーンで聴かせていただいたというサプライズ。

 

急いで玄関のドアを全開

隣近所の皆さ~ん、道行くみなさ~ん、聴いて、凄いことが始まってるよ~、と

窓も全開に

 

田舎は一軒、一軒の家の距離が遠い。

外国人の姿も多い観光地の夜8時に響き渡ったサプライズ

そろそろホームシックがあるかもしれない外国の若者にはささる音色。

 

蛍が庭で驚いている。外の空気は澄んでいて月も最高だあ。

夜のとばりに、友人の吹くサクソフォーンが響いていく。

 

あまりの迫力に

落ち着いて動画を撮るか、聴きいっていればよかったものを、わーわー、きゃーきゃー、と今思うと自分、残念過ぎる。

 

まさか空き家掃除に帰った所で、柱の損傷を見てもらったあと、そんなサプライズが待っていたとは知らず、しばらくわーわー、きゃーきゃー、ばっかり。

 

優しい穏やかな友人ご夫婦が建築家の友人を連れて私の相談に力を貸してくれた夜のことだった。

 

穏やかな友人の吹くサクソフォーンの音色は、力強く、切なくさえあった。

上手すぎる・・・

 

実はこれが本業

リアリィ! 

 

しばらく脳は放心状態。

 

JAZZハウスで聴くクオリティ高い音色

 

*** 

 

庭にさしこむ月の光が木々の影を落としている。

ふくろうがじぃと聴いている。

離れた所にある建物の窓が次々開いたのがわかった。

海外から来た青年たちが、耳を澄ませて、まさか、ここで? と聞き耳を立て始めているのがわかる。

 

お願い、もう一曲

彼らにプレゼントして

 

何がいい?

 

18番、おはこでお願いします。

 

迫力が凄い。

畳が浮いた? 障子が揺れた気がした。

空き家だからじゃないよ。

民家で聴くとすっごいんだから

 

あれは夢だったのか

 

島はどこまでも魅了してくる。

 

 

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海派? 山派?

よく聞かれる質問

海も山もどちらも好きです、と答えると、だから究極どっち? と

 

選べない。

それにはワケがある、と古い原稿を片づけながら拾い読みしていく中で、ふと気付いてしまった。

 

海にも山にも獲物を求めて入るからじゃないのかな

レジャーで連れて行かれても視線はずうと食べられるものを探している。

根っからの野人。

 

子供の頃、川で洗濯していました。

帰りは川のエビをとり、薪になる木々を拾い担いで帰りました。

またあ・・・

 

アオサをとって、貝を拾って、蛸を捕まえて担いで帰りました、子供の頃。

またあ・・・

 

本当ですよ。

 

信じてもらえない。

 

子供たちだけでそんなことできないでしょう。させないでしょう、普通

 

本当だって

 

あなたのホラ吹おばさんの汚名を晴らしてくれるかもしれないYouTube動画見つけたから見て、と最近教えてもらって観たのが、

 

たぶんアマゾン?

子供がひとりで私のホラ話をはるかに超えて、

魚捕まえたり、木の実を取ったり、裸足で薪担いで歩いていたり、

その映像が、あまりにも自然で、能力高い超野人力

 

ほらあ、いるじゃないですか。

いるはいるけれど、今、あなたはPCの前に座っているおばちゃんじゃない。

 

あの子だって

数年後にはAI活用しているかもしれませんよ。

 

確かに

 

水道が引かれる前の時代を経験した世代もこの令和の時代に生きていると思うと

凄いことです。

 

電気もなく、ランプや薪をくべる生活。

癒される~

じゃなくて・・・それからこの時代までを肌で実際を生きてきたリアリティ

 

*** 

 

42歳までに書いた小説が35本あった。

それのほとんどがタイムスリップか? というような妙な生活場面ばかり

 

由来は、たぶん時代の変化にあるのかもしれない。 

 

*** 

 

断捨離、断捨離

 

時代に必要なものはその時代が用意する。

 

電子書籍、電気の通っていなかったランプ生活の子供時代。

夢にも想像できなかった今のこのやりよう、・・・凄い時代の流れですね。

 

 

  • 思い出
島での珈琲タイム

島の友人は芸能人並みのスケジュールを持つ。

手帳やなかにはスマホで、「ちょっと待ってよ~、その日はね」

とすぐに会食日を入れてくれるわけではない。

 

みな、役割が多くてゆったり過ごしているようで忙しい。

そんな感覚が戻ってきたのも滞在して数か月が過ぎた頃。

太陽の日差しを浴びてセロトニンいっぱいなのも羨ましい。

写真は海が見えるカフェ・レストランで珈琲タイムした時のもの。

 

***

 

田舎育ちの私は長じると、反動なのか、仕事で上京した時や外国を訪れた時など

思い出すと恥ずかしいが、誰やねん! って突っ込みたくなるようなファッションで大股で街中を闊歩することが大好きだった。

 

ああ、自由

自由って気持ちいい

 

女優力、主人公力を全部出し切って

疲れたら、街中の公園のベンチで珈琲タイムをした。

 

ロサンゼルスの公園で野外コンサートが視野にかすかに入るベンチで珈琲をひとり飲んでいると、

「日本人かい?」

と初老の紳士が横に座わり、話しかけてきた。

 

そうです、というと、

片言の英語と片言の日本語の奇妙なコミュニケーションが始まり、ジェスチャーが体操のように大きくなって、しばらくすると不思議なことに会話が成立していた。

 

アメリカに憧れているのかい?

頷くと、私は日本にあこがれを持っているのだと首をすくめて笑う。

 

「キクトカタナ?」

知っていますか? と問うてくる。

 

知っています。

「恥の文化」 と言うと、あなたはキュートだと褒められた。

 

罪の文化? と問うと、早口の英語でペラペラと喋りがエスカレート。もちろんなんにもわからない。

そうこうしている間にコンサートも終わったようで、帰らなきゃ、と思っていると

その方も寂しそうな顔をされた。

 

それで紙に

「一期一会」

と書いてお渡しし、意味を伝えられるだけ伝えて、お元気でと頭を下げた。

また会えるよ、天を指さすその方の優しい笑顔に思わず涙がこぼれた。

 

だから私は日本人が好きなんだ、とハグをしていいか、とその方は杖を置いてハグして下さりお別れした。

 

一期一会は、そうかあ

今生のことか。

 

天国で再会すると思うと、逆に一期一会に力が入るよね・・・

 

それから私の一期一会の概念は変わった。

 

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