Hiro & Tami  月間やいま 南山舎

友人から紹介があって本日届いた南山舎の月刊やいま、雑誌の12月号に、

ご夫妻のインタビュー記事が載っているとのこと。

当ブログ記事でも書かせていただいた↓

島で聴いたサクソフォーン

 

ご夫妻に許可を得て記事を書いています。

 

 

これが本業です、と話していましたが、

話半分に聞いていた自分に猛省。

 

プロじゃないですか。

BEGINの生みの親って、風の便りに聞いていたものの、

ご夫婦で出されたCDを拝聴させて頂いて納得です。

 

奥様の影響で、島に牧師さんがおられない時代、

送られてくるCDを聞き、アカペラで讃美歌を歌っていたという。

音楽家のご主人を伴うようになって、

ご主人が伴奏するアカペラじゃない讃美歌を皆さんで歌うようになって、

 

讃美歌の伴奏に慣れてきた頃でしょうか、

ご主人が離島赴任から戻る船内で体験した、降りて来たメロディー。

 

それを島イズムをのせて、ご家族総動員、教え子のプロのミュージシャンと

一緒に作品化したのが、

「愛と光のうちで」という、今回オリジナル讃美歌のCD

 

***

 

「ガジャンのブルース」は中学2年生の時の作品と雑誌のインタビューで答えています。

 

♪ ガジャン、ガジャン、ガジャン・・・ぼくはガジャンにかーちましたあ~♪

 

ガジャン、ガジャン、ガジャン、ガジャンって、何かわかりますか。

蚊、です。

中2の少年が勝ったのはガジャン。

 

南国のガジャンは強いんです。

逞しいんです。

生き物が濃ゆくて強いんです。

ガジャン倒すの、けっこう難しんです。

 

あと、ヤモリ・家守も強いんです。

戦う前に心折れそうになるくらい、いっぱいいるんです。

ヤモリは家を守る、とか王の宮殿に住むとか言われますので、

王の宮殿かあ・・・頭の上・天井を這っていても、

そうかあ、王の宮殿かあ・・・叩けません。我慢です。

 

そういう話ではなくて、

 

CDを出してくれてありがとう、とお礼を伝えました。

毎日、子供が聴いています。

 

私も疲れて体調が悪い時は、

子供のベットに横たわって何度も聴きます。

 

郷愁が笑いも誘うし、涙もこぼれさせるし、

なにより癒します。

 

郷愁の先に待つ神の国への望郷心のようなもの

それを呼び起こされているような、

懐かしいような、そんなメロディーが心の琴線をそっと奏でていきます。

 

讃美歌、数多くは知りませんが、

 

♪全能の父なる主 あなたの愛はとこしえまで♪

 

軽快なテンポから

やがては静かなメロディに変わると同時に力が宿って

迫りくる感覚に、

気が付けばやはり涙があふれ、

ああ・・・いい

沁みる・・・

と、心の奥に刺さっている棘を抜いてもらったような

心を柔らかくほぐしてもらったような、ほんものの癒し・・・

心が本気に休めリラックスします。

 

癒しを求めて島に観光に訪れる若い方々も多く、

ご夫妻の癒しの音楽がそういう方々へ届きますように、と

東京から祈りを込めて紹介記事を書かせていただきました。

 

映画007観に行きたい

映画007観に行きたい

(過去記事)

 

外食へはそろりそろりと行くようになった。

大の映画好きだが、映画館へはさすがに行く勇気がない。

 

007が観たい。

 

ダニエル・クレイグが今回で終わりだというので、

映画館で見納めしたいという気持ちは大きいが、

スティホームをきつめにしていたので、映画館へ行く・・・

社会復帰のハードルは高い。

 

***

 

イギリス人の紳士と結婚して、イギリスの湖畔のほとりで暮らすのが夢です。

子供はつくりません。

大きなワンちゃんと夫婦二人だけで、湖畔のほとりでお茶を飲むからです。

 

小学校低学年の夏休みの宿題だった、「私の夢」で書いた文章。

田舎の学校は時に残酷。

先生にも生徒にも大うけしたのを覚えている。

 

もちろんウケを狙ったわけでもなく、本人はいたって真面目に「私の夢」を

書いたのだ。

体育館に展示された作文を読んだ両親に、後日、わけを話す必要が生じた。

先生が、何か悩みがあるのではないか、とわざわざ家に来たというのだ。

現実逃避が半端ない、というのがどうやら問題だったらしい。

図書館で読んだ本に感化されたと気づいた先生と両親に、肯定された

 

翌年の夏休み、

イギリス人の姉と弟の小学生二人が家のまわりを探検する話を作文にして

これもまた展示された。(自分と弟をイギリス人に仕上げただけ。だから冒険はいつものあの場所と、登場人物は隣りのいつも一緒の子供たち。もちろん彼らもいつのまにかイギリス人)

 

妄想少女に先生が、将来作家になりなさい、

と、国語の放課後指導をするようになった。

 

「これを読んで感想文を原稿用紙2枚に書いてごらん」

 

当時はえこひいきなどという批判もなかったから

先生が転勤するまで指導は続いた。

 

 

先生は土曜日の午後になると、

わが家に立ち寄り、父のおろす新鮮なさしみを食べながら

新作が出ると、必ず読んでくださった。 

 

その先生に肯定されたおかげなのか、

ますます湖畔のほとりに自分は将来住むんだという夢も広がり続けた。

 

どこの家も子だくさんで隣近所入り乱れて子供の数は賑やかだった。

 

「子供なんていらない、私かっこよく椅子に座って本を読むんだから」 

 

と、妄想していたなんて、

今思い出すと、とても恥ずかしい。

穴があったら入りたい。

そんなちゃんとした大人になっていたはずが、

 

ダニエル・グレイグの007を観た瞬間、

あっという間に田舎の少女だった頃にタイムスリップしたから

映画の力は大きい。

人の脳を解放させる方法、コツを得ている。 

 

何がかっこいいか、って

あのスーツ姿のアクション

 

男性がスーツに身をつつむと、

イギリス紳士だけではなく、どなたでもかっこよくなります。

それが走ったり、バイクに乗ったり、飛び上がったり、

スーツにアクション、

このスタイルを考え取り入れた人は天才だと思いました。

 

シリーズのDVDはもちろん購入済み

家でいつでも観れるじゃないか、と言われそうですが、

やはり長年の功労にファンとしては映画館鑑賞が望みです。

 

ペンネームをいくつか使い分けて書いていることを

親しくなった人に、つい喋ってしまったことがあり、

「それ、今度持ってきてください。その本、貸してください」

で、その人から静かに遠ざかったのは、数年前のこと

それ以来、表では、書いていることは言ってはいけない、と肝に銘じた。

 

湖畔のほとりの妄想少女は、時に繊細なのだ。

 

現実はまったくベツモノの日々に追われているからこそ

やはり映画は面白い。

007を観たら、一週間は湖畔のほとりへの憧れが続くのは間違いない。

 

冬になって、寒さが迫ってくるとゲンキンにも湖畔のほとりの妄想は終わる。

湖畔のほとりは寒いんだと大人になって思い知った。

 

 

何故、コロナなの?

ああ、憂鬱だ。

 

映画観たいし、友達と妄想話でだらだらとお茶もしたい。

 

それ以外はきちんと真面目に働くから・・・

 

行く? 行かない? 優柔不断は続く。

 

2021年10月1日公開! 007公式サイト

 

 

「踏むなよと浜に敷かれし花香り」

 

(過去記事)

 

今日の珈琲タイムは和食屋さん

 

「お久しぶりです。お元気でしたか」

と声をかけられて、覚えて下さってありがとうございます

と言うと少し涙ぐんでおられた。

 

2019年の12月、英語圏に住む姉が帰国したので案内したのが

最後だったようで、お店の人の方が覚えていた。

年明けからコロナ禍で、そうだ、あの頃まではこうして伸び伸びと

外食していたんだ、と思い出した。

 

お店も大変だっただろうな、と改めて思いました。

店内のお客さんもマスクで黙食で気配がないほどマナーが良く

おかげさまで安心して美味しい日本食を楽しんできました。

そしてここの食後の珈琲がなんとも美味しいのです。

私の口によく合うので、コロナ前は、月に1回は通っていました。

 

お姉さま、お元気ですか?

と一度しか来店したことのない姉の国の様子も聞いて下さり

早く行き来できるといいですね、と温かい。

 

思えば、コロナ禍前は、外食にもよく出かけていた。

美味しいスイーツも食べていたのに体重は若い頃と変わらなかった。

それが免疫力をあげるぞ、と作りに作った私の料理のみの顛末とスティホームで

15㎏増・・・って、ある? 

 

ナチュラルな暮らしがどんなにありがたいことなのか、今更ながら感謝

コロナが落ち着いたら

海外旅行へも行こうね、と子供に言うと嬉しそう。

子供と海外旅行へ行ったことが一度もないことに気づいたのも

正直立ち止まったからで、それも不幸中の幸いかもしれない。

 

真面目で一生懸命な店員さんの優しさに経済まわさなきゃ、ね

と市井の人ながら本気で思いました。

 

「踏むなよと 浜に敷かれし 花香り」

 

誰もが一生懸命生きている

気づかずに踏んでしまっている花もあるかもしれない。

花の香りに気づける感受性は大事にしていきたい、と思う。

 

一人きりでは生きていけないし

生きている意味も感じられないし、

家の中ばかりは寂しいです。

人は人の中にあって、生き生きと言葉を交わし、

 

やっぱり外の空気を普通に吸える社会が早く来たらいいな、と思います

 

大事な話がある

大事な話がある

(過去記事)

 

息子が小学校の頃、実家でしばらく暮らしていた

仕事は忙しく、送迎のサポートや育児のサポートの人を頼み

祖母である母も現役で仕事があるなか、

家は一日中大賑わいの人の出入りだった。

誰かが誰かを助け、

明るい生活がまわっているのだと思っていた。

  

「たいせつな話がある」

息子はまだ小学生。

石原裕次郎のポスターのように、

半ズボンからのぞく膝を少し立てて

にぎやかなおばちゃんたちの中にいた私に、

大切な話だから、と声をかけてきた。

 

「何?」

「おかあさんとふたりだけで大切な話がある」

おばちゃんたちやほかの兄弟が、

ほう、というなか

息子にはカルピスウオーターを、自分には珈琲を淹れ、

二人で車庫傍の木の下の椅子へ

両手でコップを握りしめて下を向いている息子。

「なあに」

「おかあさん、舟、買えるかな」

「ん?」

「舟買って、操縦できる資格も取ってほしいんだ」

「ふね?ふね~」

  

珈琲を吹き出しそうになったが、

真剣勝負のまなざしは冗談のようにも見えず、

 

「みんな舟持っているんだ。護岸で釣りしている人なんかいない。買える?」

「ちょっと待ってね。息させて」

そう言って立ち上がると、

「僕にはなんでお父さんがいないんだ。みんないるのに。みんなお父さんと舟に乗って海で魚取っているのに」

と大泣きをして、

走って庭から一階のトイレに駆け込むと中から鍵をかけてしまった。

一度も反抗されたことがなかったので、驚いて鍵を開けてくれるよう頼んだ。

中から、

「今の話は忘れて下さい。

ぼくが悪かったです。舟のことは別の方法を考えてみます」

と、堰切ったように泣いている。

  

どうしていいかわからず学校へ行った。

転校してきたばかり

担任の先生を職員室に訪ねた。

 

息子が言ったとおりを先生に話した。

若い先生は黙って聞いておられた。

勢いあまって相談に行ったのはよいが、

若い先生のクールな表情に

失礼しました、とすごすごと帰った。

  

夕飯の支度にとりかかっていると、

息子を訪ねて同級生の男の子が訪ねてきた。

イカ釣りに行くのだという。

息子のえぎも用意してきていたので、

急いで、二人分のおにぎりや卵焼きや唐揚げを詰めて

飲み物と一緒に持たせた。

 

 

下の子たちを寝かしつけて、

おばあちゃんが、

「はい」と渡してくれた珈琲を持って、

月明かりがきれいな庭で息子を待った。

 

自転車の音が聞こえて、

「またなあ」

と元気な声が聞こえた。

 

たくさん釣っていた。

おばあちゃんも降りてきて

「すごいね、いっぱい釣ったねえ」

「明日はウニも取りに行くんだよ」

「ウニ、凄いねえ」

おばあちゃんが持ってきたアイスクリームを食べながら

息子は、どういうふうに釣ったかを楽しそうに話してくれた。

  

二人でイカをさばいている時に、

友達Iくんが

「Aくん、Aくんにはおかあさんがおるだろう。

ぼくはお父さんもお母さんもおらんよ」

と釣りの終盤で話したらしい。

 

しばらく釣りなんかを教えてもらうことにした。

勉強は僕が教えることになった。

だからしばらくはいそがしいからね、と真剣に言う。

 

学校の父兄会の終わりに先生へお礼に行った。

 

おかげさまで、Iくんから男学を教えてもらっている毎日です

と報告し、

Iくんの話した言葉を伝えると、

先生は男泣きに泣いてしまった。

私もつられて泣いた。

緊張がとれたというか、あったかい時間にほっとしたのだと思う。

  

祭りでIくんの雄姿をみた。

息子を参加させるために、

これまで祭りに参加しなかったIくんは

自らが先頭を切り、皆を巻き込んでいった。

運動神経抜群のIくんの垂直に飛び上がる舞いは感動、鳥肌もの。

息子もDNAが蘇ったのか、生き生きと舞い、祖母を感動させていた。

K先生も同僚の若手を巻き込んで参加。

カッコイイ大人の舞いに子どもたちも誇らしそうにみていた。

  

休みの日、息子の髪を刈る時、Iくんの分も刈った。

他の子らもおいで、とついでに刈ってやろうとしたら

みんな逃げだした。

「何故、逃げる。並びなさい。

終わった人からアイスクリーム食べていいから」

と言ったら、あんなんは嫌だ、だからアイスはいらない、という。

アイスまで投げ出すくらいひどい出来なのに、

二人は何度か友情の証しのように

私の髪カットにその後も応じてくれていた。

  

舟は同級生の親が乗せてくれたようで、

興味は他へ移っていったが、

友情はずうと変わらず、

先生が転勤する時には

男の子の心の純粋さに、しばらくみんなで

K先生ロスを共有した。

 

お別れの日、

海の岩場にIくんが隠れてしまい、飛行機の時間ぎりぎりまで

K先生は岩場の外で彼が出てくるのを待った。

 

「男はどんなに辛くてもやるべきことから逃げてはいけない。

先生ときちんとお別れするんだ」

傍で聞いていて、こちらが切なくなるような先生の男学

Iくんは、最後は逃げずに握手をし、空港で先生にきちんと手をふって

お別れをした。

  

帰り、彼らを焼肉食べ放題のお店へ連れて行った。

「男だ、食え。出世払いだあ」

と声かける前にもう全員テーブル席から駆け出していた。

飲み放題のドリンクバーへ、

選び放題のスゥイーツへ

  

昨日のことのように思い出す。

 

烏賊が青く光り、飛び交う夜の海

大きな月、オレンジ色で海面の凪に乗り動いて揺れる。

時間が止まったような海風、波の音。

  

しばらく飛行機に乗れない。

  

あの時のあの生活音は二度と味わうことはできないが、

景色は今も変わらずにある。

月夜の夜に耳を澄ませば息吹くらいは蘇ってくるかもしれない。

郷愁は悪くない。

今、頑張る力は、その日々の積み重ねの延長にある。

どの時にも感謝。

 

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